病院長インタビュー

磐田市立総合病院 鈴木昌八 病院長

望むべき人物像と採用方針をお聞かせください。

 中東遠地域の中核病院として患者に提供できるものは、安心・安全でかつ質の高いサービスを前提とした、思いやりのある医療です。現代の医療は、医師の働きだけで成り立っているわけではありません。医療自体が専門分化し、内容が高度化、医療機器も格段に進歩しました。だから、いろいろな職種が専門分野での役割を十分に果たし、チームで患者を支える。皆の協力で、患者が満足して退院する。こういった現場に対応できる人材を育てています。
 新人看護師の採用時に実施するのは、面接と小論文(テーマ作成は看護部)。私たちは面接で尋ねます。「どうして医療人としての職業を選んだのか、その経緯は」「医療の中でどこに興味があるのか」「将来就きたいのは外科系か内科系か、あるいはリハビリか」など。それぞれ学んできた中での、自分の想いを話してくれます。この面接で、本人の意欲がわかる。そこで判断します。
 中途採用者には、「他の病院でどういった部署に勤めていたか」「この病院で働きたい部署は」を聞き、本人の希望にそって配属します。

人材育成に対するお考えを具体的に教えてください。

 当院の基本理念は『医療の原点は思いやり』。思いやり、これが難しい。患者には言葉で伝えられる人と、重篤で喋れない人がいる。訴えることができなくても、なにを欲しているかを、わかるプロになっていただきたい。自分の観察眼でどう捉えるか。言葉に限らず、患者が発信している情報を、こちら側がどう受け取るか。把握できた、見過ごした。判断は大きく違ってきます。要はセンスなのですね。
 看護師の仕事には、相応の知識・技術レベルが求められます。でも、これだけではいけません。メンタルな気遣いが必要です。常日頃から患者の気持ちを思いやり、診療・ケアの場で感覚を磨いていく。「あの患者さん、いつもの明るい表情じゃない。暗い、元気がない」「いまは熱がないけど注意しないと」。こういった情報を看護師同士で共有し、主治医に報告する。大きく状態が変化してからでは遅い。こうならないためにもケアに対する感性=センスのアンテナを高く、四方八方に自在に回転させながら、患者の気持ちという情報をキャッチして欲しいですね。
私は、外科医として患者さんの生活の質を維持しつつ、病気の治癒をめざして取組んでいます。私だけでなく病院の全職員が、人の命に寄り添う仕事をしているのです。それがやりがい。医療人としての基本は、「ひとが好き」、だと思います。

医療施設紹介