看護師・コメディカル・事務長インタビュー

富士市立中央病院 遠藤さよ子 副院長 兼 看護部長

看護部の人材育成、長く勤務できる魅力についてお話しください

『富士市立中央病院、看護部について』
 当院は「地域の基幹病院として、市民の皆様により良い医療をやさしく安全に提供し、常に医療の向上に努める」という理念を掲げ、富士医療圏の急性期医療を担っています。チーム医療における看護職の役割や期待が拡大している中で、地域の皆様に安心で安全な医療を提供するために、質の高い看護サービスを目指し、看護師の独自性と専門性を高めるための人材育成に積極的に取り組んでいます。

『人材から人財へ』
 当院の求める看護師像は「地域住民から信頼される人」「自ら学べる人」です。人材から “人財”へと成長できるよう、育成に力を入れています。例えば、クリニカルラダーを導入して臨床実践能力の開発支援をおこない、個人の目標が達成できるプログラムを構成しています。1年目は特にしっかり年間計画が決められており、シミュレーション中心の研修です。また、平成28年度4月より、新しい人事評価制度を導入しています。市の人事部とは別に、看護部で業務評価・能力評価をおこないます。この制度の意図は、職員の主体的な職務遂行や自己啓発を促し、人材育成と組織の活性化です。自分の業績や能力を直属の上司に評価してもらえるので、モチベーションの向上につながります。さらに、認定看護師や助産師などの資格取得の支援制度も整っています。受講中も給与あり、授業料は病院側が負担。助産師には分娩手当がつくなど、自ら学んだ知識と技術、資格を身につけた人をきちんと評価します。

『長く働き続けることができるポイント』
 職員の多くが職場の近くの方です。近隣に限らず、県外の看護学校など遠くに通っていても「地元に貢献したいから」とUターン就職を希望する方も多いですね。長く勤められるポイントは、地元だからという理由だけではありません。病院全体で、スタッフがやりがいを感じながら生き生きと働き続けられる職場の環境づくり、WLB(work life balance)を推進しています。メンター的役割を担うベテラン看護師の存在は大きいですね。長い臨床経験と豊かな人生経験に基づき、対人関係力や洞察力を駆使して患者様とそのご家族を支え、スタッフ一人ひとりが持つ多様な価値観や生活背景を配慮し、働き方を一緒に考えながら、それぞれが置かれている環境をマネジメントして看護スタッフの成長をサポートしています。定年退職後もセカンドキャリアを展開できる環境の整備もおこなっています。例えば、当院を定年退職したベテラン看護師が相談などに乗ってくれる市の相談窓口があります。院内では相談をためらう場合も外部だと話しやすいこともあるでしょう。当院の内情を知っている先輩方ですので、気軽に相談することができます。

看護の仕事のやりがいを教えてください

 私は、看護師の資格を取得後、助産師として勤務していました。助産師の仕事の魅力は、自分で判断して行動できることです。ただ、せっかくライセンスを持っているのだからいろいろな分野で看護をしたいと思い、外科病棟、外来看護、透析室看護を経験した後、ICU(集中治療室)で6年間勤務しました。その後、管理者となり現在に至ります。ライフプランの中に管理者はありませんでしたが、人材育成や、500人以上の組織をまとめるという立場で、今は管理職にやりがいを感じています。職員一人ひとりが働くやりがいを感じ、看護を通して自己成長できる職場、そして、この病院で働いてよかった、とスタッフが幸せな気持ちを抱き続けることができる看護部でありたいと思っています。

『患者さんを支えるご家族の存在』
 病棟から外来勤務になり、「外来は先生に診察を受けに来るところ…。看護師として自分に何ができるんだろう」と悩んでいたことがあります。そんなあるとき、患者さんのご家族に「こうして病院に通ってこれているのは、ご家族が家でご主人を支え、しっかりやってくれているからですよ」と声を掛けたところ、後日その方から「その言葉で励まされました。もっとこの人のためにしてあげようと思いました」と言っていただき、“患者さんが通院できるのはご家族の支えがあるから”ということ、逆に言えば“家族がしっかりしなければ病院にも行けないし家にもいられない”ということに気がついたのです。それまで看護は病棟の中でしかできないと思っていましたが、外来にもちゃんと看護があること、患者さんだけでなくそのご家族も看護の対象であることに気づき、以来、ご家族に声を掛けるようにしています。家族看護がきちんとできる病院を展開できればと思います。

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