病院長インタビュー

沼津市立病院 後藤信昭 病院長

病院の特徴と医師確保のための方法論をお聞かせください。

急性期病院の両輪
 「救急医療」と「高度な専門診療」が当院の柱です。24診療科を擁し、急性期医療を担う地域中核病院として機能してきました。平成16年には、一刻を争う重篤な救急患者に対応する第三次救急救命センターを併設。平成19年には、ドクターへリポートを設置。沼津市をはじめ近隣市町からの救急患者を可能な限り受け入れています。
 専門診療についても、外来の診断治療、入院後の治療や検査・手術も高いレベルをキープ。平成25年からは心臓血管外科を開設しました。「救急医療」と「高度な専門診療」の両立は容易ではないのですが、ハイクオリティな医療技術と看護師やコメディカルが一体となったチーム力で、しっかり支えているといえるでしょう。

若い医師を鍛えて
 医師不足は深刻です。当院のドクター数は79名ですが、明らかに足りません。東京ほか、外部からの応援を頼まざるをえない状況。医師の育成というより確保が先、これが現実ですね。
 ただし、若いドクターを獲得して育てる解決策は、研修医制度の活用だと考えています。当院の魅力で引きつけ、残ってもらう。あるいは将来戻ってきてもらう。当院全体のアドバンテージは、各科の協力体制、スタッフ間の信頼関係、電子カルテを中心とした情報の共有など、とてもスムーズで風通しがよいこと。円滑なコミュニケーションによってモチベーションが上がりますし、事故も抑えられます。まとまりがある病院というイメージですね。来年は基幹型で4人の新たな研修医が入職する予定で、期待を寄せています。

患者に対する手厚いサポートとスタッフの印象をお話しください。

連携カードと医療の機能分化
 当院は都道府県知事が認定する「地域医療支援病院」です。認定の基準は、地域診療所から当院への紹介率60%、開業医に宛てた診療情報提供書の発行数(逆紹介率)30%。認定を機に、院内の「地域医療連携室」が「連携カード」を作成しました。かねてから、当院では症状が安定して専門的な治療や検査を頻繁に行う必要がない患者さんに、「かかりつけ医」での継続治療をお願いしてきました。「連携カード」を持っていれば、専門診療や緊急の検査や処置が必要になった場合、当院に戻って受診できる仕組みです。つまり、患者さんには「ふたりの主治医」がいる。地域のかかりつけ医と当院がタッグを組む医療の証明が「連携カード」になります。
 急性期病院、地域の診療所、回復期リハビリテーション病院、療養型病院、介護施設などのさまざまな医療機関が存在します。当院は、救急・重篤・要手術患者を優先して診ることを主な役割とした医療施設です。それぞれの立ち位置で役割を分担し、地域に尽くす。現代医療では“機能分化”が不可欠なのです。

スタッフにありがとう
 忙しい中でも、融通を利かせて迅速に礼儀正しく患者さんに対応してください、と常々いっています。患者さんや日々の仕事を正面から受け止める、許容力のあるスタッフが多い。不平や不満を口にせず、みんな頑張ってくれています。毎日が感謝の連続ですね。

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