病院長インタビュー

静岡県立こども病院 瀬戸嗣郎 院長

病院の使命と特徴、新機軸を教えてください。

高度先進的医療でこどもたちの最後の砦に
 小児医療に特化した専門病院の使命はシンプルです。単に病気を治すだけではありません。「未来あるこどもたちの健やかな発育と成長を支援」する。同時に、重い病気や難病のこどもを抱え、苦労しているご両親の「子育てをサポート」することです。当院は、高度で先進的な医療を基本に、さまざまな疾患、健康上の問題に対応できる総合的な機能を持っています。どのような患者さんも断らず、可能な限り最善の診療に力を注ぐ。当院は自負しています。静岡県小児医療の最後の砦だと。

新しい試みを次々に実現
 近年、小児集中治療科・救急総合診療科・こころの診療科(児童精神科)・産科が新たに設置されました。胎児から思春期まで、慢性難治性疾患から救命救急医療まで、からだの病気からこころの病気まで、すべてを網羅した小児病院は全国に4施設しかありません。特に救命救急(PICU)分野では、厚労省が全国5センターのひとつに当院を指定。全県単位で、重篤な小児の三次救急医療をカバーしています。また2013年には、地域医療をバックアップするER(常時、初期救急患者を受け入れる救急外来)を開設しました。また、先天性心疾患の治療は全国トップレベルで、広く県外からも患者さんを受け入れています。
2014年から新外来棟の建設に着手。これまで十分でなかった様々な相談業務・在宅支援業務の充実が可能となり、2016年2月に完成予定です。

望む職員の人物像と日頃感謝していることをお聞かせください。

人材観と教育体制
 当院が求める人材は、責任感が強い、自発的に学ぶ姿勢と成長力がある。こどもが好きで優しくて、愛情で包みこめる。多数の職種が集まるチーム医療なので協調性も欠かせません。そしてもうひとつ。向き合う相手は、こどもとご両親。大人を診る一般的な病院と決定的に違います。つまり、コミュニケーション能力が秀でていないと、診療が円滑に進まないのです。繊細な心配り、不安をぬぐい去る丁寧で柔らかな対応、穏やかな気質、理解されやすい説明力。そういったコミュニケーションスキルがないと、こちらの意思が伝わりません。
 教育マインドは確立されています。背景に、トップクラスのプロフェッショナルを育てる義務が、当院の立ち位置であるからです。今年、医療技術の実習向上をめざすラーニングルームを新設。教育の一環として、国際交流も加速させます。
 医師はもちろんですが、看護師にとって小児看護の最先端を学べる全国有数の病院だと思います。多領域にわたって指導する人材が豊富。整った教育システム。安心して働ける勤務環境。当院でぜひ、看護師の生きがいを見つけていただきたいですね。

長期療養に寄り添う取組み
 重症の患者さんが多く、長期入院で苦しんでいます。そのつらさを、少しでも和らげてあげたいので、数々の仕組みをつくりました。小・中学生を対象とした院内学級。養護学校の先生が常駐で10名余り、毎日工夫と努力を重ねて学習指導し、入院の大変さを発散させてくれています。日本で初めてファシリティドッグを導入。現在は2代目のヨギが毎日病棟を巡って、こどもたちを慰め人気者に。月1回、クリニクラウン(臨床道化師)も来訪。病棟でこどもたちを楽しませ、精神的な苦痛の緩和に一役買っています。こどもたちのために、奉仕活動をするボランティア登録は140名。院長として皆さんに感謝。本当によくやってくれます。

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