医院長インタビュー

萩野クリニック 萩野 教幸 院長

【院長の医療に対する理念や、診療方針についてお聞かせください】

 当地に開院して、昨年が20周年でした。あっという間だったというのが率直な感想です。東京で大学を卒業後、大学病院の勤務医を経て独立を決心し、不安もありましたが、地元(清水町)の親族や大学OBの応援をいただき、開院することができました。

 大学では、大人の外科から小児外科まで、幅広く対応できるように研鑽を積んできました。平成7年の開院当初から、病気・ケガの治療に加えて、患者さんの予後のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めることも重要であると考え、理学療法(リハビリテーション)にも力を入れてきました。さながら、「一人総合病院」といった心構えです。
その後、平成12年の介護保険法施行の際には、居宅介護支援事業所を立ち上げ、在宅医療とともに訪問看護サービスも提供してまいりました。現在、ケアマネージャーも2人常駐しており、医療の視点からケアプランを作成し、デイサービスや福祉用具レンタルなどの他のサービス事業者とも連携しています。

 開院した当初は、地域の行事や慣わしなどに戸惑うこともありましたが、周辺に外科系の診療所がなかったので、歓迎されているという感触はありました。富士市内から通院されている方もいらっしゃいます。
救急の患者さんは、自分で歩けているかどうかということを目安に、できるだけ対応しています。近隣に幼稚園や小学校が少なからずありますので、子どものケガにも対応できるようにスタッフもトレーニングを積んでいます。
近くに市立病院がありますが、患者さんを紹介している数は、当院が市内でも一、二を争っているようです。地域住民にとって、“何でも診てくれる先生”で在りたいと思っています。そして、より専門的な判断が必要な患者さんには適切な医療機関(診療科)を紹介し、病状が安定して、経過を観察していけばよしという状態なれば、私のところでフォローしていくという良好な関係が築けています。

【スタッフや患者様に対する想いについてお聞かせください】

 当院では、子どもの外科的処置が必要になることも少なくありませんが、スタッフはしっかり対応してくれます。
私が「一人総合病院」という自負をもって患者さんに向き合えるのも、スタッフの努力と協力があってこそです。
患者さんには農業を営まれている方も多く、ときどき、スタッフにも差し入れをしてくれます。
患者さんに信頼され感謝されているスタッフを誇りに思います。
6月19日が開院記念日なのですが、毎年その時期にはスタッフ全員の検診と食事会を開催するのですが、
各自が初心にもどる機会としております。

 国民健康保険あるいは後期高齢者医療制度に加入されている方には、毎年市町から検診の案内が届きます。私が定期的に診ている患者さんには、いつも「検診を受けること」を勧めているのですが、あるとき久しぶりに受診された方が、人工肛門を造設していたことがありました。カルテの過去の記載を見ると、「検診」を勧めたことが書いてあるのですが、受けていなかったようです
一方、私の勧めで「検診」を受けた方が、早期発見でき、大事に至らずに済んだということも少なくありません。
 6年ほど前、私自身に、陳旧性心筋梗塞と早期の大腸がんが同時に見つかりました。心臓についても自覚症状は全くなかったので、正に心電図検査がきっかけだったのです。心臓と消化器、それぞれの医師と相談して、どちらから手術したらよいか随分悩みました。
結果的に、両方の手術を無事に乗り越えて、休診したのは一日だけで済みました・・と、こうして話せるのも「検診」を受けていたからです。検診を受けていなければ、気づかないうちに進行する病気を早期発見することは難しいのです。

 多くの患者さんが、朝早くに来院されます。診療開始は9時なのですが、「検診」の方は8時から始めています。そのようにしても「待ち時間」が二時間ほどになってしまうこともあるので、用事のある患者さんには専用の携帯電話をお渡しして、外出していても呼び出せるように工夫しています。朝ではなく、お昼近い時間や午後の時間に分散してくれると、そこまでお待たせしないで済むのですが。これまでにいろいろ試してみましたが、「待ち時間」対策は、最も難しい課題かもしれません。

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