看護師・コメディカル・事務長インタビュー

市立御前崎総合病院 太田優子 副院長兼看護部長

教育方針や理念についてお話しください。

当院では、プリセプター制度を開院(1986年)当初から導入してきました。プリセプターとは、新人看護師(プリセプティー)の教育・指導をおこなう看護師のことです。基本は1年間、新人看護師は全員、一人ずつ先輩看護師に付いてノウハウを学びます。新卒だけではなく、他院で働いた経験のある中途入職の新規採用者にもプリセプターがつきます。新人看護師の入職前に面談し、ひとりひとりの適性に合わせてプリセプターを決めています。気軽に質問や相談もできますし、新人さんにとっては安心できる存在となります。ただ、必ずしも新人看護師は質問はプリセプターに聞かなければいけないという決まりはないので、和気あいあいとみんな仲良くやっていますよ。

 看護師の仕事は「人」が相手です。教科書を読んですぐできる仕事ではありません。まずはやってみせて、一緒にやりながら教えてあげることが大切だと考えています。しかし、教わったとおりのことをすれば正解というわけでもありません。知識、技術はもちろん、人間性も求められます。新人看護師には、先輩の経験と知識から学び、自分自身に活かしてほしいですね。また、看護師という職業上、人の生死に関わるため「できない」「わからない」では済まされません。そのため、看護師たち自身が「何とかしなきゃ」と思うみたいで、自ら進んで学びたい、もっと技術を身につけたいという意識の強い人が多いですね。他人任せではなく、責任を持って仕事をする人を育てたいと考えています。また、プリセプター制度に加えて、キャリア発達ラダー制度があります。ラダーという段階的な目標設定に沿って、いつ・何を・やりたい・やらなければいけないかを明確にしています。

 「心あたたかな看護」「信頼される質の高い看護」を提供できるよう現任教育に力を入れ、臨床実践能力の高い看護師を育成しています。看護診断・フィジカルアセスメント・看護倫理など集合教育を行い、継続的な学習の機会を設けています。現場で学ぶこと、集合教育から学ぶこと、両方で一人前の看護師を育成していきたいです。また、専門性を高めるための門戸も開かれています。希望者には認定看護師資格取得のための支援をおこなっています。

長く勤められるポイントを教えてください。

 離職率は年度によって多少バラつきはありますが、平均約6~8%です。昨年度(平成26年度)は3.5%でした。離職する方も、転居や、当院にない診療科の看護につきたくなったなどの前向きな理由が多いです。長く続けられるポイントは「人」とのつながりですね。アンケートをとると、「人間関係が良い」と書いてくれる若いスタッフが多いです。
 「天の時、地の利、人の和」という言葉がありますが、交通の便は悪く、東日本大震災以降「天」も厳しい状況です。しかし、この病院には「人の和」があります。天と地には力及びませんが、「人の和」は自分たちで作れますから。
 個人的には看護師の仕事が楽しくて仕方なくて、私は看護師の仕事を辞めようと思ったことが一度もないんですよ。決して楽な仕事ではないし、大変なこともたくさんありましたが、いろいろな経験の中でやりがいが積み重なってきましたね。看護師の仕事は生まれ変わってもやりたいです。常に周りには話を聞いてくれる人・助けてくれる仲間がいて、それぞれがいろいろな考えを持っている中でサポートしてくれるので、「みなさんにありがとう」という気持ちです。

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